シニア家庭の定義をしておきます。50代後半から70代の二人、ないし、一人の世帯とします。子供が同居していても、IT装備が別であれば対象です。
この世代は、現在はスマホ、タブレットをメインで使っていても、過去はPCをメインで使っていて、PCを手放せない世代と思います。一方、80代以上は、多くはPCを使っていなかった世代で、今でも家庭にはPCを置いていない人が多いと思います。
参考ですが、今の10代、20代はPCを持っていない人も多いようで、大学の卒論をスマートフォンで書く人もいると聞きます。
1.標準IT装備
シニア家庭の標準的なIT装備を図示してみました。結構、充実している方が多いと思います。順に説明します。
- (上中)ルーターです。外部回線とは光LANで接続している方が多いと思います。
- (上右)スマホ、タブレットです。外ではモバイル接続ですが、家では無線LANで接続していると思います。
- (中中)図はノートPCですが、デスクトップの方も多いと思います。ルータとの接続が無線LANとなっていますが、有線LANの方も多いと思います。
- (中左)プリンタです。図では無線LANですが、USB接続も多いと思います。
- (中右)ドキュメントスキャナーです。これは、装備されていない方も多いと思いますが、装備されると便利な機器です。
- (下)外部ディスクです。PC内蔵ディスクのバックアップに使います。最近は、クラウドにバックアップするので不要とする方もいます。しかし、クラウドは無料範囲が限られるの大容量をクラウドにバックアップするとコスト大となります。
2.IT利用
これらIT装備をどんな使い方をしているかのイメージを書いてみます。
メール、SNS(LINE、FACEBOOKなど)、NEWS、新聞記事、天気予報、検索などのリアルタイム情報はスマホ、タブレットを使っていると思います。
PCは以下ではないでしょうか。以前はメール、NEWS、天気予報、検索など全てPCでしたが、多くがスマホ、タブレットに移り、移せないものがPCに残っていると思います。
- WORD、EXCELなど大きな画面でない不便なアプリ操作
- 家計簿、出納長など継続管理が必要なアプリ操作
- 年賀状作成
- iTunesなどで管理する楽曲
- 写真データの保管、表示、印刷
- ビデオ画像データの保管、再生
- 電子文書の保管
- 紙文書をスキャナーで電子化した文書の保管
- 知人、友人に上げるCD-R、DVD-Rを焼く
- 照会画面を印刷する
これらは、タブレット、スマホで出来ない訳ではありませんが、PCの方が使いやすいです。よって、PCの使用頻度は下がっても、捨てられないと思います。むしろ、沢山残っていると思います。
タブレットが普及し始めた時、PCに取って替わると言われました。しかし、最近、タブレットの出荷数が落ち、逆に、PCがじわじわ増えているようです。
3.将来はどうなる
5~10年先位、IT技術の進歩で、以下のようになっていると予想されます。
- モバイルはG5が主流で、IOTが生活に浸透している。つまり、家電、車など多くの物がインターネットに繋がる。そして、データはクラウドに蓄積される。
- IOTで集めたデータを使った新しいアプリケーションが多数出てくる。それらはスマホ、タブレットで動くので、性能・機能は更に大幅向上していくと思われる。
- 一方、PCのCPU処理、データ保管機能はクラウドに吸収される。すると、スマホ、タブレットに大型ディスプレイとキーボードを付ければ、用は足りてしまう。
以上のようなイメージで、徐々に、PC機能がクラウド、スマホ、タブレットに移行していくと思われます。
4.まとめ
結局、言いたいことは以下です。
- PC環境は当分は残るので、継続維持は必要です。
- ITの進歩は衰えをしらず、新たな機器・デバイスが出て来て、新たな機能を使うことになります。
- スマホ、タブレット、クラウドも高性能、高機能化し、PC機能が徐々にこちらに移って来ます。
- よって、シニアの方も新しいIT機能を使うための勉強、PCをスマホ、タブレット、クラウドに移していくための勉強を継続的に行っていくことが必要であると考えます。