シニアにITの苦手意識を持つ方が多いのはどうしてか? 考えてみました。この記事を読んで、シニアの方が苦手意識を克服して頂けたらと思います。
1.ハードウェアは得意なのに
シニアでハードウェア(機械もの、電機もの)は得意だと言う方は多いと思います。しかし、ITも得意だと言う方は稀です。むしろ、ハードウェアが得意だと言う方ほど、ITが苦手なような気がします。ITと言うより、ソフトウェアと考えた方がより正確でしょう。
それでは、ハードウェアとソフトウェアの違いを考えてみたいと思います。ハードウェア:ソフトウェアで対比させてみました。
- 動きが目に見える:見えない
- 入力操作が限定的:複雑(メニュー選択、キーボード入力など)
- 出力が限定的:複雑(表示結果、エラーメッセージなど)
- マニュアルが数ページ:数百、数千ページ(ぶ厚い)
- 操作は普遍:バージョンアップ
ざっと、こんなところでしょう。これだと、ソフトウェアは複雑で難しいので、シニアには無理、簡単でないとダメ。と結論付けてしまいそうです。違います。
2.ソフトウェアのアプローチは ?
小学生にゲームソフトを与えるとマニュアルなんか見ません。おもむろにゲームを始めます。最初は戸惑っていても、暫くすると完全に使いこなしてしまいます。
私が新しいソフトウェアを操作する時はこんな感じです。
- 操作に先立ち、このソフトウェアを使った方のレビューコメントをネットで探し、大体のポイントを掴みます
- ホーム画面を表示し、どんなメニュー(機能)があるか見ます
- 大体分かれば次に進みますが、見当も付かない言葉が出てきたら、マニュアルを見たり、ネットで調べます(最近は圧倒的にネットです、速いので)
- 操作したいメニューを選択します
- 操作画面が出たらパラメーターを入力します
- 大体分かれば入力して実行してみます、見当も付かない入力項目があればマニュアルを見たり、ネットで調べます
- 出力が想定と違えば、入力を変えてみて、それでも想定と違えば、マニュアルを見たり、ネットで調べます
- マニュアル、ネットでも分からなければ、友人、同僚に聞きます
- それでも分からなければ、開発元のサービスデスクへメールか、電話をします
こんな事を3~4時間もしていれば、大体のこつが掴めます
3.シニアがソフトウェアを苦手とする理由
シニアで、ハードウェアが得意な人ほど、ITが苦手と言うところにヒントがありそうです。どうでしょう? もうお分かりだと思います。
根本的にアプローチが違うと言うことです。一生懸命にマニュアルを読んで、メモを取って記憶しても逆効果です。ハードウェアのアプローチでソフトウェアにアプローチすると破綻します。
比喩的ですが、ハードウェアは演繹法的、ソフトウェアは帰納法的と言えそうです。つまり、ソフトウェアを論理的積み上げで考えようとしても、場合分けが多すぎて、破綻してしまいます。
シニアはハードウェアのアプローチに慣れているが故に、破綻しているだけです。子供は先入観が無いため、自然に帰納法的アプローチを受け入れてしまっているだけです。
アプローチの違いに気付き、何回か経験すれば、ソフトウェアのアプローチが身に付くと思います。
4.まとめ
暫く前に、ITは「いろいろやってみて解決に行き着くのが普通」と書きました。
言わんとするところは同じです。改めて言いますが、シニアだから複雑なことが頭に入らないのでは無く、誰でも複雑なことは頭に入りません。よって、ソフトウェアのアプローチが必要になると言うことです。
つまり、進めながら、考え、調べ、聞けば良いと言うことです。時には分からないことも多々あります。その時は諦めましょう。いつか分かる時が来るまで。何ら恥ずかしくありません。実は、私も、未だに分からない事だらけです。
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